講談社が6月から「著作者の許諾が得られたすべての新刊」を対象に、電子書籍と紙書籍の同時刊行を行います。読売新聞によれば、これは20日の決算発表で明らかにされたもの。同社の野間社長は以前から同時刊行に向けた意欲を示しており、実際「スティーブ・ジョブズ」などは紙書籍の発売日に各電子書籍ストアにも並んで、大きな反響を集めていました。そういえば京極夏彦の新刊を電子書籍、単行本、ノベルス、文庫で一斉に発売したのも講談社です。なにかと横並びの空気感が漂う国内出版業界だけに、業界の雄として知られる講談社の舵取りは、そのほか多くの出版社にも影響を与えそうですし、そうであって欲しいものです。
思えば10日ほど前には、アマゾン Kindle の日本上陸が4月になるという日経の報道もありました。また「講談社の新刊」と言うからには文芸書だけでなくコミックも対象となるはずで、こちらの展開も気になるところ。いずれにせよ、何年かで作品が読めなくなるとかいった過去の失敗を乗り越え、長期的視点に立った使い勝手の良い電子書籍サービスを期待したいものです。
イマイチ日本では流行りきっていない感のある電子書籍ですが、この「紙書籍と電子書籍の同時刊行」はこれからの電子書籍市場発展のためには必須でしょう。
現状、新しい書籍を電子版で購入しようとしてもリリースされていなかったりしますからね~。せっかく電子書籍端末買ったのに、新しい本が読めるとは限らない・・・となると、端末に対する購入意欲も低下してしまうのは当然ではないでしょうか。
是非他の出版社も同じ動きを見せて欲しいところですな。